元素「ニホニウム(Nh)」が正式決定。元素の命名はギリシア神話由来、地名、人名がほとんど
日本初(アジア初)で発見された第113番元素の元素名と元素記号名が、11月30日正式決定した。元素記号名はニホニウム(nihonium)で元素記号はNh。6月8日の案がそのまま採用された形となった。
ニホニウムという名称は、日本という国名をそのまま利用した直球な名前のように思えるが、これまでの元素記号の命名の歴史を見てみると、ギリシア神話由来や元素が発見された場所、あるいは発見した人の名前を採用することがほとんどだという。確かに有名な元素ゲルマニウムもドイツの古名ゲルマンに由来されている。
新元素ニホニウムを発見したのは、理化学研究所RIビームファクトリー。原子番号30番の亜鉛(Zn)と同じく原子番号83番のビスマス(Bi)を原子核衝突し融合させると30 + 83 = 113という足し算で、今回の新元素113番元素が生成されるというもの。数字上の計算は簡単だが、実際には、原子核の大きさが1兆分の1cmであることから衝突確率が低いことと、衝突したとしても、融合する確率がさらに100兆分の1という超低確率の再現を追及するという気の長い研究の賜物だった。
新元素の発見研究のシビアさは研究の歴史が物語っている。2003年9月、113番元素合成の実験が開始され、翌年2004年7月23日、初めての元素合成が確認。さらにその翌年2005年4月2日2回目の元素合成が確認されるも、長い空白の時間を経て2012年8月12日についに3回目の元素合成が確認。9年間で合計400兆回におよぶ衝突実験の末に、たった3個の合成に成功事例だった。(しかも、ニホニウムは約1000分の2秒の寿命で消えてしまう)
理研は、新元素は現在のところ人々の生活に直接かかわることはないとしながらも、新元素を探求することは未来の科学、ひいては科学技術と社会の発展に大きな貢献することととし、119番、120番元素の合成にも挑戦を発表している。
ネット上のみんなの反応
113番元素ニホニウム(Nh)の確定が嬉しかったので例のチャートをアップデートした pic.twitter.com/AmouGUkCQX
理化学研究所の研究グループが合成に成功した原子番号113番の新元素の名称が「ニホニウム」に決まったそうです。
画像は、1908年、幻となった元素「ニッポニウム」を発見した、東北帝国大学総長小川正孝氏の「元東北帝国大学総長小川正孝特旨叙位ノ件」です。 pic.twitter.com/84JwJvsilm
【教会豆知識】
周期表の113番目の元素が「ニホニウム」と命名されたことが話題ですが、元素名の中には聖書から取られたものは実は1つもない
ギリシア神話由来のものか、地名・人名がほとんどです#ニホニウム https://t.co/lBhd2RngSO
??国名由来の元素と発見年??
1886年 ゲルマニウム(ドイツ)
1898年 ポロニウム(ポーランド)
1939年 フランシウム(フランス)
1945年 アメリシウム(アメリカ)
2003年 ニホニウム(日本) ←New
【113番元素「ニホニウム」に正式決定】
物質のもとになる元素のうち、日本の理化学研究所のグループが発見した「113番元素」について、化学に関する国際機関は、日本という言葉を取り入れた「ニホニウム」という名前に正式に決定しました。https://t.co/ZQ6rlOnS84