バルスという短い単語でラピュタが滅亡するのは、セキュリティ的にどうなのよ?
よくネタにされる「バルスなんて短い単語で都市が崩壊するのはセキュリティ的にどうなのよ」「何かの拍子に偶然バルスって言ったら即滅亡するのでは」という話。
日本で天空の城を作って飛ばし、その城を即時崩壊させる呪文を設定せよと言われたら。「滅べ」なんて呪文に設定したらマズいのは明らかです。広大な都市のどこかで誰かが「ホロベ」を含む発話をした時点でアウトです
仮に国家権力やらなにやらで「ホロベ」という発話を一切禁じても、守られ得ないことも明らかです。「狼と香辛料」の話題で「ホロ別に好きじゃないし」って言った瞬間、悪意もないのに即アウトです。
なので通常この手のものは破られないために長くしたりします。パスワードは8文字以上にしてください、というやつです。しかし今回は「バルス」縛りがあるので長くすることは不可能です。
ならばどうするか。日本語で普段使わない音を使えばいいんです。
同じ「ホロベ」でも、「ロ」を口蓋垂の /R/ で発音して /hoRoβe/ ならどうでしょう? 多分「ホホベ」に聞こえるでしょうね、そのとおりに発音すると。
これだけでもかなり「うっかりバルス」が防げると思いませんか?
これだけでは私のような音声学オタクがふざけてわざと発音する可能性が潰しきれないので、もう一箇所、「ホ」のほうも 口蓋垂の /χ/ で発音しないといけないようにしましょう。 /χoRoβe/ です。これを「たまたま」発音する日本人はそうそういないでしょうよ。
というわけで、私の管理する天空の城では、崩壊呪文は /χoRoβe/ です。「滅べ」と普通に言っても滅びません。事情を知った人間が、恐らくは特殊な発音を身に着けてそのとおりに発音する必要があります。
これと同じことを、古のラピュタの管理者も考えたのではないでしょうか。
察するに、古代ラピュタでは「b」とか「r」とかが音素として存在していなかったのでは。「滅べ」という意味の言葉はあったけど「ɓaʀus」とか発音するべき単語だったのかもしれないです。バフス。
そして「単に /ɓaʀus/ (滅べ) だけだとウッカリ言う奴が出てくるから、とびっきり「ヘンテコな」発音で設定しておこう。/barus/ とでもしようか。こんな発音、普通はしないからな」と思ったのでしょう。
…遥かな時の流れの中で、そっちの発音が主流になるとは知らずに
そして恐らく、ラピュタの域内では言語学や音声学の研究は制限されていた可能性があります。色んな他国な言葉を知り、その発音を身に着けた人間は 「ɓaʀus」を発音する可能性のある人間ですからね。少なくとも天空の城への入場は拒まれていたのでは。
パスワードは長くあるべきという風潮がある昨今、たった3文字で国が崩壊する呪文ってどうなの?という一連のツイート。緊急事態に発動させる必要があるからこそ、長すぎてもダメだし、発音が難しすぎて途中で噛んでもダメ。ということで、普段発音しないだろう文字で構成した短い文字ではどうか、ということで「バルス」なのだろうか?しかしセキュリティ的には・・・。
ツイートに対するコメントでは、実は4段階認証の呪文(「王族が」「飛行石を握って」「破壊する意志を持って」「バルスと唱える」)であるという突っ込みもあり、実はセキュリティ高い仕組みだったのかもしれません。
みんなの反応どうでしょう
この一連の話とても興味深いので
見てみて欲しい!
確かに、と納得したし面白かったw
ちなみに個人的には
口伝でシータの一族にのみ
伝わってることなどから
発動条件つきだと思う
以下、発動条件
①意味(効果)を知っている、
つまりイメージができる
②王族である
③飛行石を身につけている状態 https://t.co/3DVXuuV5dl
こんにちは。初めまして。言語学的にそう考えるのも面白いですね。でも他の方もおっしゃっているように、本当はもっと単純で、「王族が」「飛行石を握って」「破壊する意志を持って」「バルスと唱える」って四段認証だったのでは?と思いました。
この一連のツイートもなかなか卓見とは思うが、このネタの元祖と目される記事での問題点指摘のメインはフールプルーフの非実装、則ち「唱えた途端警告なしで致命的なコマンドが走っちゃうのおかしくね」の方にあったという点は一応書いておきたい https://t.co/FfAYQyIcPb
耕作可能面積は少ないけど飛行石の力で頑張るスタイルの国家です、って紹介したら滅ぶかもしれんのだな… https://t.co/r5KPonRic3